父植えて孫の代まで庭の柿 吉岡静江
秋晴れや湖畔のほとり鷺の群 滝口水晶山
身にしむや打ち明けられし悩み事 伊東ひろし
蜻蛉や野原のキャンプ賑わいて 榛葉幸子
老いて尚郷愁誘う夕とんぼ 内田千代女
長き夜や隣家の人の声高き 渋谷安子
とんぼつり幼な輩いま何処 山田八重子
長き夜昨夜の続き老母に読む 桜庭ますえ
夜のうつり昔を語る夜長かな 鈴木あや
秋の夜や夫との会話筆便り 栗山みきえ
四拾年聖市に住みて蜻蛉みず 峰村マダレーナ
「罪と罰」読み疲れたる夜長かな 角田梢
秋空に夕陽とどめておちんとす 長田如惠
結論は見えず夜長の更けるまま 高橋月山