囀りにふと立ち止まる八十路足 内田千代女
訪ね来し庭の藤棚ベルを押す 桜庭ますえ
囀りや姿見えねどしきり鳴く 渋江安子
教会の庭の囀り目覚め時 秋末麗子
咲き終えし椿の葉色春隣 伊東ひろし
藤の棚丸く造りし父こいし 山田八重子
囀りや小鳥の首の愛らしき 岩上もと子
束の間の農夫一服長閑さよ 光田芙美
屋根裏で囀る朝のミソサザイ 吉岡静江
丹精の藤房垂れて心澄む 榛葉幸子
囀りに朝寝の夢を奪われて 角田梢
老犬は春雷おびえ部屋の隅 栗山みき枝
長閑なる木々の梢に風すがし 鈴木 あや
囀りが止まればのぞき見る心 峰村マダレーナ
髪は染めよろよろなれど老いの春 滝口水晶山
春愁の午後の一時聖書読む 長田如恵
春の雷慈雨をともない二つ鳴る 高橋月山