<サンパウロ通信>
 2001年10月


passaro3_100.jpg (3249 バイト) 『牧師招聘制度の問題点』

ブラジル聖公会では法憲法規で自給教会には、主任司祭と助任司祭の招聘権が認められている。教会委員会は招聘したい候補者一覧を教区主教に提出し、事前に了承を得る必要と、選出後、再度、主教に文書で通知する事が定められているが、牧師招聘権(副牧師も同様)はあくまで教会委員会にある。個人としてこの制度には疑問を持ったこともなく、近代的な制度としてこのM/Lで紹介した事もある。法憲法規では招聘任期は5年間が最高となっており、5年毎に他の司祭を招聘するか、現在の司祭を牧師として再選するか、が委員会で討議される。

今年、サンパウロ市内の日系の最も伝統的なY教会で、5年目の牧師任期満了に際し、主任、助任両司祭の再選をせず、他の司祭を選出する事となった。ここまでは別に変わったことでもないのであるが、従来は委員会内のみで決められ、外部のものは結果だけを知りえたのに対して、今回はブラジルでも珍しく主教の承認した候補者3名に、毎日曜日代わる代わる説教してもらい、その中から牧師を選出する事になったそうである。現代的な方式なのかも知れないが、私のような年配者にはやはり、すんなりとは受け入れ難い。昔式な言い方で笑いを買うかもしれないが、まず私にとって「なんと失礼な」という気がする。第一、牧師の大切なファンクションの一つは説教である事は間違いないが、しかし、説教の上手、下手で牧師を決める事はどんなものであろうか。もちろん、委員会は選考の一基準にすぎないと言い訳はするであろうが・・・
3人の中で選ばれた司祭はともかく、残りの2人を不的確者との認定を公表するようで、他人事ながら気持ちよくこのニュースを聞けなかった。

サンパウロ教区の7割の司祭は教会以外に実業を持って自給しているが、解任された両司祭は実業は失業中であったので、文字道理、完全失業者になった。ブラジルの実社会でも年配者の失業は珍しい事ではなく、現実であるが、実業と教会の二つの失業者となった同僚のこれからの生活を思う時、暗い気持ちになる。教会にもリストラの波が押し寄せた事にショックを受けているのは、やはり甘いからであろうか。


サンパウロ 伊東

   

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